ファンダ分析で中小型お宝株探し

中小型株の銘柄分析と定点観測をします。

中小型株お宝銘柄探し 6531 リファインバース

サマリー

リファインバースは、独自の資源リサイクル技術により、様々な唯一無二のソリューションを生み出している産業廃棄物のソリューションプロバイダーです。しかしながら、過去2期にわたって下方修正を繰り返してきたことで、ファイナンシャルに対する信頼が下がり、株価が低迷しています。一方、前期の第三・第四四半期には、ファイナンシャルが回復する兆しも見えており、今期の第一四半期決算で復活したことが明確になれば、再び成長企業として、上昇トレンドに戻ると推測されます。基本的にはリスクリターンの両方が大きめの銘柄ですので、限定的なロットで勝負すべきかと思います。

ファンダ分析①事業内容と成長性

リファインバースは、独自のリサイクル技術を強みとして、廃棄物処理とリサイクルを一体で提供する、産業廃棄物のソリューションプロバイダーです。

特に実績のある領域が、ビルや商業施設のリニューアル時に発生する廃カーペットのリサイクルで、2016年のマザーズ上場当初からの主力事業です。カーペットのリサイクルを行って再生樹脂として再販売できることで、廃棄にかかるコストが0になり、廃棄物処理の領域でも競争力を持つことができています。2017年には、カーペットやエアバッグのナイロンリサイクルと、鉄鋼プラントの製鋼副資材のリサイクルを新事業として立ち上げました。後者は今後、自分で工場を持つのではなく、プラント立ち上げを支援するソリューション事業として展開することになっています。

  • カーペットリサイクル事業(今期予想9.3億円):ビルや商業施設のリニューアル時に廃棄されるカーペットタイルから樹脂の部分をリサイクルし、再生樹脂として販売しています。カーペットの回収については、森ビル等と提携しており、首都圏の廃棄タイルの6割を回収できています。また再生樹脂の売り先は、住江織物という住友系の会社ですが、実はリファインバースには住友商事が出資しており、住江織物が確実に再生樹脂を買ってくれる仕組みになっています。しかし、2019年6月期は新工場の立ち上げに苦戦したため赤字となっており、投資家の信頼を失うことになりました。今期に再び収益事業として貢献するかが、PERを左右する大きな要素です。

  • 産廃処理事業(今期予測19.8億円):リファインバース最大の収益事業です。単なる産廃処理ですが、カーペットリサイクルによりカーペットの処理費用が掛からないため、価格競争力があります。こちらも昨年は、中国の廃プラスチック受け入れ停止等による、国内産廃処理能力のひっ迫によってコストがかさみ、収益性を毀損していました。しかしすでに顧客への価格転嫁は完了しており、コスト増の影響は吸収できています。

  • 高機能樹脂事業(今期予測3.3億円):新事業のナイロンリサイクルです。まだ工場立ち上げの初年度のため稼働率は低く、収益貢献は限定的とのことです。どちらかというと、また立ち上げコストがかさむことによるマイナスインパクトのリスク要因になりそうです。

  • ソリューション事業(今期予測3.9億円):こちらも収益貢献は限定的と考えられますが、プラントの販売でネガティブインパクトが発生するリスクと、新たな事業の種が生まれるポジティブインパクトの側面があります。

ファンダ分析②株価水準・割安度

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チャートは引用/転載自由の株ドラゴンさんにお借りしています。

リファインバースの1,450円前後という株価水準は、PERで19.5倍前後ですので、一般的に見るとやや割高な水準、成長企業であれば許容される水準に見えます。直近で赤字を出している企業のバリュエーションとしては、割高に見えます。

なぜリファインバースのPERがここまで高いかというと、独自の技術を活かした市場ポテンシャルの大きい事業を多数持っており、またそうしたビジネスを新たに生み出せる唯一無二のポジションにいるからです。

例えばナイロンリサイクル事業は、エアバッグのリサイクルから始まっていますが、近年ではナイロン製廃棄漁網にもターゲットを拡大しています。またソリューション事業によって、リサイクルのアイデアを持つ排出元がリファインバースと共同でリサイクル技術を開発するため、そうしたところからもさらにソリューションの幅が広がります。

以上を踏まえても、現時点でのリファインバースの株価を割安と断ずることはできませんが、現在の株価は、今期の黒字回帰予測が出される前と変わっておらず、黒字回帰に対して懐疑的な目線での水準になっています。決算発表があった8/14の終値は1416円で、その後8月中に1,650円を付けたものの、1,400円台まで下がってきています。
逆に言えば、黒字回帰に対して投資家が自信を持ってくれば、PERは20倍を超えて切りあがっていくものと想定されます。いずれにせよ、ファイナンシャルが安定したうえで、新規事業のプレスリリース等によってPERを高めていくタイプの企業ですので、難易度は高めです。

株価上昇トリガー・投資戦略

株価上昇のトリガーは、四半期決算発表と、新事業の進捗や開始に関するプレスリリースによる、PERの見直しです。なおプレスリリースは業績の悪化した近年ではあまり株価に影響しなくなってきており、再び成長軌道に戻ったことが確認されたのちに影響するようになっていくと想定されます。

  • 四半期決算の発表(11/14):リファインバースはこれまで、期初予想に対し、大幅な減益修正を行うということを繰り返してきました。中には、新たに事業化したいものが見つかったという類のポジティブなものもありましたが、新工場の立ち上げの遅れや、事業環境の悪化への対応不十分など、経営の未熟さによるものが多々ありました。前決算期の後半にはもろもろの問題が解決しつつあることが数字上も見えており、投資家が徐々に自信を取り戻していますが、期初予想に対し順調に進捗している決算が出てくれば、多くの投資家が安心し、上昇基調へと戻ると想定されます。

  • プレスリリース:直近ではファイナンシャルへの不安から、プレスリリースに対する反応もいまひとつでしたが、過去にはたとえば新日鉄住金向けのリサイクル資材の販売開始や、ナイロンリサイクル事業の拡大といったリリースによって、ストップ高を付けています。今後も新事業関連のリリースは多々あると想定され、ファイナンシャルへの安心感が生まれたのちは、またこうしたストップ高への期待が高まるものと想定します。

なお現在はPERが19.5倍ですので、ここで悪決算が出ると、大きく下げるリスクがあります。これまではファイナンシャルが悪くても、ポテンシャルへの期待からある程度下げ止まることが多かったですが、すでに業績回復期待で入っている株主がいることや、前四半期の赤字で財務基盤を毀損していることから、さらなる赤字の可能性などが見えると、売りトレンドになる可能性があります。

その他のリスク

流動性は比較的低くなっていますので、ロットを大きくすると、業績悪化時にさばききれなくなるリスクがあります。また可能性としては高くないものの、自己資本比率が下がっており、増資を行う可能性もあります。増資自体は決して悪いことではないものの、1株当たりのEPSが減少するため、PERが増加しなければ、株価は低下します。

以上、リファインバースの銘柄分析でした。
リファインバースの株価の推移については11月24日頃に定点観測記事を出します。

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