ケーススタディ ネットリサーチ企業
10月の消費税増に合わせて、多くの関連銘柄が議論されてきましたが、ふとインターネットリサーチの企業にも恩恵があるのではと思いました。というのも、消費増税の自社製品への影響などを事後的に分析するために、インターネットリサーチが使われるのではと考えたためです。ですので今回は、インターネットリサーチを営む数社について、株価推移を追っていこうと思います。一応3社見る予定ですが、基本的にはマクロミルを追いかけるためのケーススタディです。
今回のターゲットは、3978マクロミル、3675クロスマーケティング、3695GMOリサーチです。これらに東証小型株の指数を入れた折れ線グラフを作成する予定です。
ご参考:過去2年間の株価推移(2019年9月30日を1とする指数)
ターゲットとして選んだ企業の詳細は以下の通りです。
3978 マクロミル(決算期:6月)
個別銘柄のチャートはいつものように株ドラゴンさんのものです。
- 2019年6月期実績:売上442億円(前年+11%)、営業利益:77億円(前年+2%)
- 2020年6月期予測:売上460億円(前年+4%)、営業利益:76億円(前年-2%)
- 時価総額358億円、PER8.1倍
マクロミルはインターネットアンケートを使った、消費者調査の大手です。数年前に実際にインターネットアンケートによる消費者調査を行った際には、明らかに競合よりクオリティが高く、マクロミル以外には任せられないといった状況でした。オーガニックでは、デジタルマーケティング需要などを背景に堅調に成長している一方、国内海外を問わずM&Aによるリーチの拡大も進めており、2024年までに日本・アジアトップ、世界のトップ10に入ることを目指しています。なお現在は日本・アジアの2位(1位はインテージ)、世界では13位となっています。
なおマクロミルのサービスを理解する上では、モニターになってみるのが早いです。
意外にいろいろな情報が入ってきますし、会場調査やインタビューには割のいい案件があるなどのおまけもありますので、おすすめです。
3675 クロスマーケティング(決算期:12月)
- 2019年12月期実績:売上175億円(前年+4%)、営業利益:10億円(前年+31%)
- 2020年12月期予測:売上200億円(前年̟+14%)、営業利益:13億円(前年+31%)
- 時価総額70億円、PERなし(赤字、19年実績ベースでは14倍)
クロスマーケティングは一桁台ながら、ここ数年は着実に売上を伸ばしてきました。
営業利益は、2017年12月に大きく数値を落としてから回復しておらず、回復途上にあります。また今期は海外事業で減損を発表し、最終赤字が見えています。
3695 GMOリサーチ(決算期:12月)
- 2019年12月期実績:売上32億円(前年±0%)、営業利益:2.5億円(前年-25%)
- 2020年12月期予測:売上37億円(前年̟+15%)、営業利益:3.2億円(前年+31%)
- 時価総額31億円、PER14.3倍
GMOリサーチは、GMOグループの顧客リーチを利用して、パネルを拡大してきた企業です。パネル数こそ多いものの、売上規模を見るにそこまでアクティブではないと想定されます。なお半期の実績はやや遅れているようで、4Qまでに盛り返すとのコメントが出ていますが、株価には半期の遅れ分が十分に盛り込まれていないように見えます。
以上、こちらの銘柄群は毎月株価をウォッチしていく予定です。
なおインターネットリサーチ業界について理解するには、下記の書籍のビジネスケースがおすすめです。
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