ファンダ分析で中小型お宝株探し

中小型株の銘柄分析と定点観測をします。

中小型株お宝銘柄探し 7607 進和

サマリー

進和は、日系自動車メーカーからの高い信頼を背景に、着実な成長を重ねている、技術専門商社です。直近のPERは9倍と下値は限定的、かつ来期予想も増収増益を出してくる可能性が高く、また創立70周年の記念配当を出してくる可能性もあるため、ローリスクで一定のリターンが期待できると考えられます。また大幅な値幅があるわけではないので、欲張らなければ銘柄を抜けるタイミングもそこまで難しくないと思います。

ファンダ分析①事業内容と成長性

進和は接合技術をコアコンピタンスとした、製造部門を持つ技術系専門商社であり、自動車メーカーや部品メーカー、電機メーカー、機械メーカーなどに、産業機械、金属接合、FAシステムなどを納入しています。自動車の電動化や軽量化といったトレンドをとらえて積極的に需要を開拓し、2013年から2018年の5年間で売上が70%成長、営業利益は2倍以上に成長しています。直近では、中期経営計画の中で2020年8月の目標値として定めていた、連結売上600億円、連結営業利益45億円を2019年8月に達成し、目標値の上方修正を計画しています。

  • 自動車関連市場向け(売上の70%):日系自動車メーカーの世界中の研究機関や製造ライン向けに各製品を納入しています。接合技術という観点から、炭素繊維などの新素材や、EVモーターなどのアプリケーションの領域をとらえ、自動車メーカーや部品メーカーのニーズにこたえてきました。結果として直近3年間も毎年10%近く売上を伸ばしており、安定成長が見込まれる事業です。

  • 電機メーカー向け(売上の10%):主に空調メーカー向けに様々な機械などを納入しています。2017年度には大口案件によって25%の増収を達成していますが、今後はまた10%前後の成長に戻ると想定されます。

  • その他(売上の20%):機械、石油化学、航空宇宙といった領域に様々な機械などを納入しています。こちらは顧客業界によりデコボコしますが、トータルでは直近も横ばいですので、成長は見込めないものの安定した事業といえます。

ファンダ分析②株価水準・割安度

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チャートは引用/転載自由の株ドラゴンさんにお借りしています。

株価が2,200円前後という水準は、PERで9倍前後です。商社としては割安でも割高でもない一般的な水準ですが、自社で製造部門を持っており、かつ毎年10%近く成長している企業としては、やや割安に見えます。

チャートを見ると、値幅もあまり大きくなく、渋い銘柄であることがわかります。
配当利回りも3.4%程度となっており、底堅そうに見える一方で、ここ2年間での最高値も2,800円程度と、大きく跳ねる可能性も低そうな銘柄に見えます。

株価上昇トリガー・投資戦略

株価上昇のトリガーは大きく、決算発表時の来季予測に伴うEPS増と、70周年記念による記念配当です。

  • 決算発表時(10/11)のEPS増/PER増:進和は2020年8月期を最終年とする中期経営計画を実行中ですが、好調のため今期すでに最終年の目標が見えており、2020年8月期の目標値を上積みする方向で検討していると明記しています。2020年は創立70周年にもあたるという観点からも、前年割れの予測を出してくるとは考えづらく、EPSが上方に見直されるとみて問題ないでしょう。

  • 70周年記念による記念配当:進和は2020年で創立70周年を迎えるため、記念配当を出してくる可能性があります。この場合、現状3.4%程度の利回りがさらに高まることになり、安定成長かつ高配当が期待される銘柄となるため、PERが切りあがるものと考えられます。なお創立60周年のタイミングでは、記念配当として3円(27円⇒30円)を出していました。

従って、今の株価水準で進和に入ることができれば、かなりのローリスクで、リターンが期待できるのではないかと思います。戦略としては、決算後に株価が上がった直後に売るもよし、少し様子を見てスパイクする瞬間を狙うのもありだと思います。

なおEVの普及やその影響などについて、投資の観点から理解するには下記の書籍群がおすすめですので、よかったら読んでみてください。

その他のリスク

進和は中国への依存度も低く(営業利益の2%程度)、現時点で大きなリスクはみあたりません。ただしその分、大きなリターンが狙える銘柄ではないことは、ご承知おきください。

以上、進和の銘柄分析でした。
こちらの株価の推移については10月26日頃に定点観測記事を出します。

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