ファンダ分析で中小型お宝株探し

中小型株の銘柄分析と定点観測をします。

ケーススタディ 低時価総額の不動産銘柄

PERで銘柄のスクリーニングをすると、継続的に成長をしているにもかかわらず、PERが極めて低い銘柄があります。一時的な要因で当期純利益が上がっている銘柄を除き、よく目につくのが不動産銘柄です。消費増税後やオリンピック後の需要の冷え込みや、ボラティリティの高さを嫌忌してPERが低くなっているということかと思いますが、PER5倍を切っているケースなども散見されます。そこで投資はしないものの、2019年の10月1日を起点として、気になる不動産銘柄が今後どう動くのか、ウォッチしてみようと思います。

今回のターゲットは、1739シード平和、3238セントラル総合開発、3486グローバルリンクマネジメント、3497リーガル不動産、8885ラ・アトレ、あと特別枠で3469デュアルタップです。これらに東証小型株の指数を入れた折れ線グラフを作成する予定です。

ご参考:過去2年間の株価推移(2019年9月30日を1とする指数)

f:id:copennogohan:20191004151940j:plain

ターゲットとして選んだ企業の詳細は以下の通りです。

1739 シード平和(決算期:6月)

シード平和 株価 チャート

個別銘柄のチャートはいつものように株ドラゴンさんのものです。

  • 2019年6月期実績:売上237億円(前年+23%)、営業利益:23億円(前年+23%)
  • 2020年6月期予測:売上342億円(前年+44%)、営業利益:25億円(前年+8%)
  • 時価総額44億円、PER3.8倍

シード平和は、関西で建設事業とデベロッパー事業を手掛けています。近年では自らホテルブランドも運営するなど、多角化に力を入れています。もともと鳴かず飛ばずの企業でしたが、3228三栄建築設計のグループ会社となったことで業績を回復し、現在の急成長を実現しました。関西の大手デベロッパーとの取引を着実に拡大しており、毎年過去を上回る受注残高を記録し続けています。さらに今後は売上成長だけでなく利益成長に目を向けるとし、原価管理などを強化していく方針です。直近は、決算を受けて一度株価が急落しましたが、その後持ち直しています。

3228 セントラル総合開発(決算期:3月)

セントラル総合開発 株価 チャート

  • 2019年3月期実績:売上297億円(前年+10%)、営業利益:13億円(前年+19%)
  • 2020年3月期予測:売上240億円(前年-19%)、営業利益:14億円(前年+2%)
  • 時価総額25億円、PER3.3倍

セントラル総合開発は、マンション分譲と不動産管理に特化したディベロッパーです。
多角化などは行っておらず、全国でのマンション分譲が収益のカギを握ります。
今回選んだ中では最もPERの低い銘柄です。

3486 グローバルリンクマネジメント(決算期:12月)

グローバル・リンク・マネジメント 株価 チャート

  • 2019年12月期実績:売上226億円(前年+32%)、営業利益:12億円(前年+9%)
  • 2020年12月期予測:売上249億円(前年+10%)、営業利益:14億円(前年+12%)
  • 時価総額48億円、PER6.0倍

グローバルリンクマネジメントは、マンションの企画・分譲と不動産管理を軸に、中古マンション流通、留学生向け物件、ホテル、商業施設などへの多角化を行っている事業者です。国内だけでなく海外に向けても物件を販売しているといったところや、ITを押し出しているあたりに特色があり、他に比べてPERが多少高くなっています。海外関連のIRや留学生向け物件はニュース性が高いです。

3497 リーガル不動産(決算期:7月)

リーガル不動産 株価 チャート

  • 2019年7月期実績:売上237億円(前年+23%)、営業利益:23億円(前年+23%)
  • 2020年7月期予測:売上342億円(前年+44%)、営業利益:25億円(前年+8%)
  • 時価総額34億円、PER4.4倍

リーガル不動産は、自社開発や中古リノベーション、不動産流通・管理を行っている事業者です。特徴は開発及び販売・運用の柔軟性で、開発後にそのまま物件を保有することも多く、営業利益の4割弱が自社保有物件の賃貸から生み出されています。その点でボラティリティはやや低いものの、10%以下という自己資本比率の低さが嫌忌されており、また直近の中期経営計画の3か年の数値が投資家の期待水準に届かなかったため、大きく売り込まれています。大阪エリアでの民泊物件など、ニュース性もあります。

8885 ラ・アトレ(決算期:12月)

ラ・アトレ 株価 ãƒãƒ£ãƒ¼ãƒˆ

  • 2019年12月期実績:売上77億円(前年-7%)、営業利益:12億円(前年+41%)
  • 2020年12月期予測:売上98億円(前年+27%)、営業利益:14億円(前年+14%)
  • 時価総額38億円、PER4.8倍

ラ・アトレは新築不動産とリノベーション不動産の開発・販売と、不動産管理を行っている事業者です。直近で中期経営計画を出しており、ジャスダックからの市場変更を目指すということや、販売チャネルの拡大などをうたっています。半期決算の結果が今一つだったため売り込まれましたが、9/12に通期の業績修正を発表し、営業利益を上方修正すると同時に、配当を17円⇒28円と大幅増額したことで再度買いが入り、株価水準を回復しています

3469 デュアルタップ(決算期:12月)

デュアルタップ 株価 チャート

  • 2019年12月期実績:売上95億円(前年-2%)、営業利益:4億円(前年-24%)
  • 2020年12月期予測:売上80億円(前年-16%)、営業利益:4億円(前年+4%)
  • 時価総額17億円、PER8.3倍

デュアルタップは、投資用不動産の企画・販売と、建物管理を行う事業者です。規模は小さいものの、マレーシアでの物件管理や、日本の富裕層向けに海外物件の販売なども行っており、イベント性の高い銘柄です。5月後半から6月頭にかけて50%近い株価上昇を見せていますが、ラジオNikkeiへの出演やOYOとの提携など小粒のリリースしかなく、意図的に需給相場が作り出されたと想定されます。PER自体はほかの銘柄ほど低くありませんが、時価総額自体が小さいので、おまけでリストに足しています。

以上、こちらの銘柄群は毎月株価をウォッチしていく予定です。

このスタディが面白かった、役に立ったという場合には、応援よろしくお願いします。

にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村