ファンダ分析で中小型お宝株探し

中小型株の銘柄分析と定点観測をします。

中小型株お宝銘柄探し 6867 リーダー電子

サマリー

リーダー電子は、高い技術を持っているところに、戦略コンサルティングファームのパートナーだった社長を招聘し、見事成長軌道へと回帰しました。過年度は営業利益が前年度の2倍以上、直近も営業利益で60%という高成長を見込みますが、投資家はまだ今期の強気予測に確信を持てておらず、PERは8倍弱です。今期目標に自信を持つ投資家が増えてくるとPERが切りあがりますので、比較的弱気な投資家が優勢のうちに投資し、自分の中で強気側/弱気側のどちらにつくかの目線をもって、継続/撤退の判断をすることが肝要です。

ファンダ分析①事業内容と成長性

リーダー電子は、放送・映像用機器のパイオニアとして、2014年には世界初の4K波形モニターの開発にも成功したメーカーです。先進的な技術を持ちながらも経営がうまくいっておらず赤字だったところに、日系戦略コンサルティングファームのCDIでパートナーだった長尾氏を社長に据えたことで経営が強化され、V字回復を果たしました。
直近ではM&Aも実行しており、成長にドライブがかかっています。

  • 既存事業:リーダー電子の売上の9割がビデオ関連、他は電波関連とその他です。ビデオ関連は日本国内における4K需要と、中国を中心とするアジアの2K需要に牽引され、2019年3月期も16%の売上増を実現しています。電波関連とその他は、規模が小さく影響が小さいものの、直近は横ばいです。特筆すべきは利益率の向上であり、2016年3月期には赤字だったところ、直近では営業利益率が9%にもなっています。不採算機種の撤退やコスト合理化など、長尾氏の手腕がいかんなく発揮された結果と想定されます。

  • 既存事業(M&A):2019年の8月1日には、相対的にリーダー電子のプレゼンスの弱い欧米に強い、同業のPHABRIX社を買収しています。売上が約7億円、当期純利益が0.5億円程度が、リーダー電子のファイナンシャルに組み入れられます。
    こちらも構造改革や購買のシナジーなどを通じ、さらに利益水準を高めてくるものと考えられます。
    なお年間の買収関連のれんの償却が8か月で1.2億円程度なので、5年償却とすると、のれんが9億円程度、純資産と合わせて14億円程度が買収価額となります。EBITDAが1.4億円くらいであれば、倍率が10倍という水準です。償却期間などによって数値は全く異なるものになりますので、あくまで頭の体操まで。

  • 新規事業:リーダー電子のPHABRIX社買収後の中期経営計画の資料を見ると、開発の効率化等を通じて新規ソリューションの開発要員を確保し、動画制作・編集業務の省力化ソリューションを開発するという旨の記載があります。こちらは当面業績には貢献しませんが、将来の業績向上への布石として重要な取り組みと考えられます。

ファンダ分析②株価水準・割安度

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チャートは引用/転載自由の株ドラゴンさんにお借りしています。

リーダー電子の900円程度という株価水準は、PERで8倍弱ですので、一般的に見ても割安な水準に見えます。これは、リーダー電子の今期予測の当期純利益4.7億円という数字が野心的すぎるという投資家の懸念によるものと考えられます。実際、2019年3月期も前年比+180%を達成しており、2020年3月期にさらに+40%という計画なので、投資家が疑念を持つのも致し方ありません。逆に言えば、投資家が今期の目標に対して自信を持ち始めると、PERが大きく切りあがる可能性があります。

実際第1四半期は、前年同四半期に比べ1億円も営業利益が改善しており、そのペースでいけば今期目標の達成もあながち不可能ではないように見えます。

株価上昇トリガー・投資戦略

株価上昇のトリガーは、各四半期決算を受けてのPERの見直しと、PHABRIX社との統合の進捗に関するプレスリリースなどが挙げられます。

  • 決算発表を受けてのPER上昇:上述の通り、現時点では、投資家は今期の決算予測に対して懐疑的です。これが徐々に自信に代わっていくことで、PERの見直しが起こり、例えば10倍くらいまで戻してくれば、40-50%程度株価が上昇します。

  • PHABRIX社関連のプレスリリース:上記に比べれば小さいイベントですが、M&Aが成功であったとの認識が広がることで、PERが上昇する可能性があります。

リーダー電子は結局のところ、多くの投資家が今年の目標達成に懐疑的なうちから、リスクを取って投資できるかどうかです。現時点では悲観的な投資家の方が多いので、仮に通期の目標達成が厳しいとしても、そこまで大きく下げることはないと思いますので、半期決算の自分の中での目線を決めておき、ダメならすぐに撤退、というスタンスで投資するのが良いと思います。

その他のリスク

リーダー電子のリスクは、業績不振以上のものはありませんが、M&AしたPHABRIX社関連で何かバッドニュースがあると、PERが下がる可能性があります。

以上、リーダー電子の銘柄分析でした。
リーダー電子の株価の推移については11月2日頃に定点観測記事を出します。

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