ファンダ分析で中小型お宝株探し

中小型株の銘柄分析と定点観測をします。

中小型株お宝銘柄探し 3137 ファンデリー

サマリー

ファンデリーは、健康食のEC宅配サービスという領域で、独自のポジションを気付いている事業者です。事業自体は順調ですが、2020年3月期の業績予測がアグレッシブだったため、下方修正が行われるのではないかという心配がされています。直近も半期決算を受けて株価が10%近く落ち込んでいますが、今後も下降トレンドとなる可能性が高く、ある程度落ちきるところを読んで、反転を狙いに行くことが求められます。

ファンダ分析①事業内容と成長性

ファンデリーは、栄養士が監修した健康食のEC宅配サービスです。味にこだわった健康食というポジショニングを取っており、ヘルシー食、たんぱく質調整食、咀嚼・嚥下困難者向けケア食の3種類を提供しています。強みは、地道に拡大してきた認知チャネルで、病院・保健所・介護施設・調剤薬局など22,000か所を紹介窓口として押さえています。また栄養士を多く採用し、顧客と長期的な関係を構築してスイッチングされないようにしている点も、強みといえます。またサブ事業として、食品会社向けのマーケティング事業があり、商品カタログでの広告掲載や、コラボ食の提供などを通じた販促支援を行っていますが、極めて利益率の高い事業となっています。

  • 健康食宅配事業(売上の90%):ファンデリーの主力事業であり、成長の期待される領域です。過去はヘルシー食とたんぱく質調整食しかありませんでしたが、ケア食に拡大するなどすることで、対象顧客層を拡大してきました。直近では供給がひっ迫しており、新工場が今年後半に稼働を開始する予定と順調です。
    一方で、2020年6月期の業績予測においては、新工場の稼働を経て下期の売上が前年比7割近く増加することを見込んでおり、多くの投資家が下方修正を懸念しています。説明会の資料などを読んでも、例えばB2Bの大口顧客の獲得や、ケア食に次ぐ新たな顧客層の獲得といった、セールス側の施策はなく、ウルトラCがない限りは通期の下方修正は避けられないように見えます。

  • マーケティング事業(売上の10%):自社カタログへの広告掲載や、コラボメニューの提供など、比較的低コストで顧客の商品・サービスを宣伝できるため利益率が高く、規模は小さいものの営業利益率は70%を超えます。利益の観点から見るに、マーケティング事業がさらに成長していくと企業価値が高まっていきますが、2022年3月期の営業利益目標は現水準+33%と、野心的にはなっていません。

  • メディア事業(新規):シャープと提携したポイント家電の事業です。2022年までに売上3億円、営業利益2億円を目指しています。今後顧客とのコミュニケーションは重要なポイントになってくるものの、ポイント家電はファンデリーがやるべき事業なのか、また2年後に営業利益2億円が可能なのかという点は、投資家が疑問に感じている点ではないかと思います。

ファンダ分析②株価水準・割安度

ファンデリー 株価 チャート

チャートは引用/転載自由の株ドラゴンさんにお借りしています。

ファンデリーの株価は、7月末の第一四半期決算後に急落し、その後少し持ち直したものの、10月末の半期決算発表を受けて再び急落しています。前述の通り、2020年3月期のファンデリーの業績予測は極めてアグレッシブなのに対し、第一四半期、第二四半期の決算はチャレンジングな目標を達成できると期待させてくれるものではなかったからです。

現在のファンデリーの1,300円弱という水準は、PERで16-17倍です。しかし、今期目標が達成できないと考える場合、EPSを低く見る必要があるので、PERはもう少し高いと考えることになります。いずれにせよ、第二四半期までの決算を見る限りでは、現在のPERは割高と考えざるを得ず、下期に前年比+70%の売上増が見えてくるまでは、厳しい展開が続くのではと考えられます。

参考まで、2016年からの株価推移はこちらです。

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株価上昇トリガー・投資戦略

ファンデリーの投資戦略は極めてシンプルで、今後株価水準が下げ続けていったところを狙うか、下期の目標達成が可能だと確信できるファクトが出てきたタイミングを狙うことになると思います。

  • 株価下落後を狙うファンデリーは今後下方修正をするのが濃厚なので、この株を買いたいと思う人は少なく、じわじわと株価が切り下がっていくと想定されます。また併せて2022年3月期に売上100億円、営業利益20億円という数字も見直される可能性が高いので、市場参加者の大半が今期業績と中期計画の下方修正のリスクを見込んだ水準で入るのがいいのではないかと思います。水準としては例えば、2019年3月期実績に対するPER15倍で1,038円、10-12倍で692-830円ですが、いずれにせよ2022年3月期の目標値がどのくらい下がるか次第で適切な水準が変わりますので、注視が必要です。株価が再び上昇するタイミングとしては、予想に反して今期目標が達成できそうとなったとき、また来期目標が発表されるタイミングです。

  • 下期の目標達成が見えるタイミングを狙う:可能性は低いと考えられますが、B2Bの大口契約が取れる、PBを発売する、革新的な商品ラインナップが追加されるといったことがあれば、今期のアグレッシブな目標が達成される可能性が出てきます。おそらくそのタイミングで株価はジャンプするでしょうが、ポテンシャルが大きいものであれば、そこから追随していくのは手かと思います。その場合はトレンドが変化し、継続的な株価上昇や、その後の来期目標の発表に伴うEPS・PERの切り上げなどが期待できます。

その他のリスク

新工場の立ち上げは、立ち上げに伴うトラブル等が起こりえますので、今期のファイナンシャルが想定以上に悪化する可能性があります。流動性の観点では、1日2-3万株ありますが、今後しぼんでいく可能性については注意が必要です。

以上、ファンデリーの銘柄分析でした。
こちらの株価の推移については12月6日頃に定点観測記事を出します。

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