中小型株お宝銘柄探し 2498 オリエンタルコンサルタンツHD
サマリー
オリエンタルコンサルタンツHDは、建設コンサルティングの大手で、海外向けではトップを走る事業者です。海外向けでNo1というポジションと、海外での受注の積み上がりを踏まえると、直近のPER9倍という水準は割安に見えるため、決算等を経てじわじわと水準訂正が進むことが期待されます。受注残高が積みあがっており、業績の下振れリスクは小さいので、早めに投資をし、期待による株価上昇の状況なども見つつ、決算を持ち越すか、考えることが必要です。
ファンダ分析①事業内容と成長性
オリエンタルコンサルタンツホールディングスは、建設コンサルティング業界の大手サプライヤーの一角で、海外売上ではナンバーワンを誇っています。2013年に重点領域でNo1を目指すことを決め、インフラ整備・保全、防災、交通、地方創生、海外開拓という領域に力を入れて取り組みを進めてきた結果、毎年30%近く受注残を増やし続けてきました。また、受注した案件にきちんと対応できるよう人材も増やしており、博士を積極採用している点も、好感が持てます。
- 国内公共(売上の50%):オリエンタルコンサルタンツの中で最も売り上げの大きい領域が、国内の公共機関向けコンサルティングです。具体的には建築物などの計画・調査、各種設備の維持・運営、システム構築・導入、交通領域の計画・運用、地方創生など、多岐にわたります。数値がないので実態は不明ですが、利益率は高めで安定成長の事業です。2018年9月期は前年+7%の売上成長でした。
- 国内民間(売上の15%):上記同様、テーマは多岐にわたりますが、鉄道施設などが主要なターゲットのようです。2018年9月期は前年+11%の売上成長でした。
- 海外事業(売上の35%弱):オリエンタルコンサルタンツが強みを持っている領域であり、高成長を実現しています。東南アジアを中心に、鉄道、漁港、道路、空港などの整備を支援しています。2018年9月期は前年+23%の売上成長でした。同時に受注高も前年+44%(国内は一桁台)と爆発的に伸びており、今後の成長ドライバーとして期待が高まります。
オリエンタルコンサルタンツHDが得意とする海外インフラ関連事業について理解する上では、下記のような書籍が存在します。
ファンダ分析②株価水準・割安度
チャートは引用/転載自由の株ドラゴンさんにお借りしています。
オリエンタルコンサルタンツHDの株価2,000円前後という水準は、PER9倍前後です。建設コンサルティングという事業を踏まえると、一般には割安でも割高でもないように見えますが、海外向けで業界No1であることや、受注残高の成長実績を踏まえると、割安な印象を受けます。既に売上の2倍以上の受注残高があり、事業の下振れリスクも低いと考えるのであれば、ローリスクでのリターンが狙える水準かと思います。なおオリエンタルコンサルタンツHDは、総額3.6億円、15万株の自社株買いを発表していますが、まだ5万株しか使われておらず、その残りも株価の下支えになると想定されます。
株価上昇トリガー・投資戦略
株価上昇のトリガーは、決算発表およびに来期予測の発表に伴う、EPSとPERの見直しです。現時点では2021年に売上590億円、営業利益24億円という目標を掲げていますが、今の受注ペースならば2020年9月期に前倒しで達成する可能性もありそうです。
その場合、EPSの見直しに加え、成長性が評価されてPERが切りあがり、株価の上昇が期待されます。実際、好調な受注残高が確認された2019年5月には一度2,200円を付けていますが、その後勢いを失い、現在の水準になっています。受注残高が売上や利益に反映されれば、勢いを失うことなく、株価が成長するフェーズに入ると期待できます。
その他のリスク
オリエンタルコンサルタンツHDは、とにかく板が薄く、イベント後の値幅が出るタイミングでも、15,000~30,000株程度しか流動性がありません。そのことを踏まえたロットで売買する必要があります。
なお既に長年海外事業に携わっており、予期せぬネガティブサプライズが起こる可能性は少ないと想定されますが、万が一プロジェクトの減損や、当局によるクレームが入った場合、大きく株価を毀損する可能性はあります。
以上、オリエンタルコンサルタンツホールディングスの銘柄分析でした。
こちらの株価の推移については11月16日頃に定点観測記事を出します。
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