ファンダ分析で中小型お宝株探し

中小型株の銘柄分析と定点観測をします。

中小型株お宝銘柄探し 6618 大泉製作所

サマリー

大泉製作所は、今後台数の増えるEVに必須の温度センサーをデンソーに納めているメーカーで、2014年からインテグラルというファンドのもとで経営改善をしてきました。
今後、EVの普及に伴って業績が大きく成長すると考えられますが、現在の株価水準は、将来投資のために一時的にへこんでいる2019年度の水準でPER13倍と、成長株にしては割安な水準です。そのため、早めに投資をし、半年~1年持ち続ければ、それなりに高いリターンが期待できると想定されます。

ファンダ分析①事業内容と成長性

大泉製作所は、サーミスタという温度センサーのメーカーで、自動車業界やエアコンを中心とする電機業界を顧客に持っています。自動車の電動化が進む中で、サーミスタの需要も大幅に増加することが期待されており、マクロ環境は良好です。もともと、強力な製品群を持っていましたが、経営のまずさから経営不振に陥り、2014年にプライベートエクイティファンドのインテグラルの出資を受け、そこからV字回復を遂げました。

  • 自動車(売上の60%):大泉製作所の最大事業にして、最も成長が期待できる事業です。カーエアコンといった既存領域から、EV電池用の温度管理センサーなどの新規領域まで、温度の制御が必要な部分に使われるため、EVの普及に伴う成長が期待されます。主要顧客にはデンソーがおり、EVについてはこれまで実験・試作などが多かったものの、今後EVの量産が進むことで需要が大きく拡大します。前期の決算でも、電動化領域の売上は前年比+73%となっています。
    これらの需要獲得に備えた工場のキャパシティ拡張も順調に進んでおり、既に第一期工事が完了、2021年度中に第二期工事が完了します。

  • 空調・カスタム(売上の35%):自動車以外のサーミスタセンサーの領域です。これまでは不採算取引の廃止や機種の絞り込みを進めてきており、売上は伸びていないものの、収益性は改善してきました。大きな伸びは期待できないものの、今後も安定して推移する事業と想定されます。

  • サーミスタ素子(売上の5%):センサーに使う素子自体を販売する事業です。5G関連の需要が期待されますが、ボリュームが限定的なため、ファイナンシャルへの影響は軽微です。

ファンダ分析②株価水準・割安度

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チャートは引用/転載自由の株ドラゴンさんにお借りしています。

大泉製作所の株価は7月末ごろに一度850円を付けたのち、550円~700円という水準で推移しています。大泉製作所の650円前後という水準はPERにして12.6倍です。ただし、今期は2020年に向けた先行投資のため減益を見込んでおり、2020年度には営業利益が1.7倍程度になる計画のため、その水準で見込みなおすと、7.5 倍になります。
現時点では2020年の計画実現に向け順調に推移しており、2020年に目標値を達成できるのであれば、成長株で7.5倍となり、かなり割安ということになります。
2020年に向けた進捗度を外から図るのは難しいですが、客観的事実としては、既に自動車の新領域で13億円の受注が見えているといったことや、工場拡張の第一期工事が既に完了していることなどがあげれます。

なおEVの普及やその影響などについて、投資の観点から理解するには下記の書籍群がおすすめですので、よかったら読んでみてください。

株価上昇トリガー・投資戦略

大泉製作所の株価上昇トリガーは、決算後のEPS及びPERの水準訂正です。
実は大泉製作所は2014年と2017年に仕手株化しており、前者はPER100倍、後者は35倍までいきましたが、仕手株化を狙うのは本意ではないので、割愛します。

  • 決算に伴うEPS及びPERの水準訂正:上記の通り、大泉製作所は2020年に売上140億円(今期+7%)、営業利益11.2億円(今期+約70%)を見込んでいます。
    しかしながら、まだこの水準感は株価に織り込まれておらず、2020年5月の決算に向けて徐々に織り込まれていくと想定されます。なお第1四半期は半期予測に対し好調に推移しており、今期の時点で上方修正が起こっていく可能性も十分にあり得ます。

以上から、時間軸としては半年~1年くらいを意識し、徐々にPERが切りあがってくることに期待するのがいいと思います。為替等の影響や需給で多少上下するでしょうが、とにかくマクロ環境が良く、技術があり、顧客も本命のデンソーを持っていることから、中長期では必ず成長していくことが期待できます。

その他のリスク

大泉製作所について、その他のリスクはあまりないと思います。投資ファンドのインテグラルがしっかりと経営管理をしていますので、計画が大きくぶれることは考えづらいですし、世の中もやはりEVは一定程度入れなければならないという方向で決着しつつあります。あるとするとインテグラルが株式の売り出しを行うことぐらいですが、現在の株価は彼らにとっても本意ではないため、株価がある程度上がるまでは、あまり心配することはないと思います。

以上、大泉製作所の銘柄分析でした。
こちらの株価の推移については11月15日頃に定点観測記事を出します。

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