ファンダ分析で中小型お宝株探し

中小型株の銘柄分析と定点観測をします。

中小型株お宝銘柄探し 1909 日本ドライケミカル

サマリー

日本ドライケミカルは防災設備のトータルサプライヤーで、景気循環の影響を受ける事業者ですが、2020年度は外部環境もよく、好調を継続しています。しかるに現在のPERは7倍程度で、確度が高いと想定される上方修正によるEPSの水準訂正もまだ見込んでいないため、早めに入ることで、小幅ではありますが、ローリスクでリターンが得られると想定されます。

ファンダ分析①事業内容と成長性

日本ドライケミカルは、防災設備のエンジニアリングとメンテナンス、消火設備と消火器の販売、消防車の販売を主要事業とする、防災関連のトータルサプライヤーです。直近はオリンピックや旺盛な再開発需要、また過去設備のリニューアルを背景に高い受注を継続しており、シクリカルの好局面に来ています。

  • 防災設備(売上の50%):日本ドライケミカルの主力事業で、売上総利益率は20%強です。建築物、プラント、船舶、トンネルなどの新設時に必要とされる防災設備の納入や、古くなった防災設備のリニューアル工事を請け負います。直近ではオリンピック需要があり、その後も都市の再開発需要などにより高水準の需要が継続します。期末の受注残は130億円と、過去最高だった昨年と同等の水準です。またカバレッジの拡大に向け、北海道のプラントエンジニアリング事業者を買収するといった取り組みもしています。

  • メンテナンス(売上の20%):改修・修繕工事や、年2回の法定点検などです売上総利益率は40%弱です。年によってばらつきはありますが、年率1-2%で成長し続けています。直近での大きな成長はなさそうです。

  • 商品(売上の25%弱):主に消火器などを販売する事業です。売上総利益率は15%弱です。もともと売上総利益率10%弱の事業でしたが、初田製作所との提携によって、「軽さ」「耐食性」「リサイクル性」を強みとする業界初のアルミニウム製消火器を開発し、売上成長と利益成長を実現しました。2016年3月期からの3年間は年成長率10%を実現しています。

  • 車輛(売上の5%強):消防車を販売する事業です。直近の売上総利益率は5%強と芳しくありませんが、電力会社等の顧客リレーションシップの構築には役に立っていると想定されます。ファイナンシャルへの影響は限定的です。

ファンダ分析②株価水準・割安度

日本ドライケミカル 株価 ãƒãƒ£ãƒ¼ãƒˆ

チャートは引用/転載自由の株ドラゴンさんにお借りしています。

日本ドライケミカルの株価が1,150円前後という水準は、PERで7倍前後です。一般的にみて割安な水準ですが、今期予測が昨年からフラットとなっていること、建設という景気に敏感な業界のため、オリンピック後に不安が残ることなどが理由と想定されます。

チャートを見ると、値幅もあまり大きくなく、渋い銘柄であることがわかります。
ここ3年間は1,050円から1,350円の間を行き来しており、最高値を付けたタイミングは2018年の11/2です。10/29の半期決算の上方修正を受け、前日から5-10%の上昇を見せました。

株価上昇トリガー・投資戦略

株価上昇のトリガーは、業績予測の上方修正です。既に第一四半期の好決算が出ており、上方修正を株価が織り込み始めてもいい状況ですが、まだ現時点では織り込み始めていません。そのため、今の株価水準のうちに買いで入り、期待による株価上昇が起こったタイミングで抜けてしまえば、ノーリスクでマージンを稼げるのではと思います。

なお日本ドライケミカルの第一四半期の決算は、売上79億円(前年比+13%)、営業利益3億円(同+248%)で、半期予測の売上155億円(前年比-1%)、営業利益1.6億円(同-70%)に対しては大幅過達とみて間違いなさそうです。日本ドライケミカルは毎年10月末に上方修正を出しますので、ほぼ例年通りですが、半期のみの予測見直しになるか、通期の予測見直しになるかで、インパクトは変わるものと想定されます。

その他のリスク

日本ドライケミカルは不人気の過疎銘柄ですので、流動性が極めて低いです。そのため、想定外のことが起こると、損切りが難しくなってしまう可能性があります。

以上、日本ドライケミカルの銘柄分析でした。
こちらの株価の推移については11月9日頃に定点観測記事を出します。

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