ファンダ分析で中小型お宝株探し

中小型株の銘柄分析と定点観測をします。

中小型株お宝銘柄探し 6255 エヌ・ピー・シー

サマリー

エヌ・ピー・シーは太陽電池製造装置を中心に来期以降も成長が期待され、10/9の決算時にEPSとPERの見直しに伴う株価上昇が期待される銘柄です。また太陽光パネルリサイクル装置関連のニュースリリースに伴うPERの上昇も期待できます。

一方で、2Qまでの段階では実際の数値として受注が積みあがっているわけでは無く、受注予定の案件が崩れるリスクはまだ残っています。加えて決算発表時に来期予測を保守的に出す傾向があるため、決算発表時にEPSとPERが切り下がる可能性も残ります。
なおPERは14倍であり、EPS引き下げが起こるとPER下降の余地があります。
とはいえファーストソーラー案件の本格化も見えてきており、変曲点が近いようにも見えるので、リスクに見合うリターンは期待できると考えます。

以上を踏まえ、大きなリスクは取らず現物かつ限定的な規模での投資が望ましいと想定されます。 

ファンダ分析①事業内容と成長性

エヌ・ピー・シーの事業は大きく、①太陽電池製造装置②自動化・省力化装置③各装置の部品④太陽光パネル検査・解体ライン・リユース/リサイクルの4つに分かれます。
それぞれの詳細と成長性は下記の通りです。

  • 太陽電池製造装置(半期売上の60%):最大手の太陽光パネルメーカーである、ファーストソーラー社に製造装置を納めています。2017年までは既存ラインのコピー・改修が中心でしたが、2017年に新規ラインのパイロットを納入しました。
    こういった業界では、生産性が一定のレベルまで向上するまでは、新規ラインを納入したサプライヤーがその後の他工場へのコピーを担うため、今後は新規ラインを中心とした受注増が期待され、顧客内シェアが伸びていくと想定されます。

  • 自動化・省力化装置(半期売上の20%弱):太陽電池製造装置の基盤技術を使って、様々な業界向けに装置を販売しています。食品や自動車部品といった大型産業が顧客業界にあり成長ポテンシャルは高いと期待されます。一方新規事業ゆえに、納入に遅れが生じ、事業全体に悪影響を及ぼすリスクは残っています。

  • 装置部品(半期売上の20%弱):上記の装置の部品販売で、自社開発装置のインストールベースが増えるごとに売り上げが伸びます。そのため今後も安定的に伸びていくことが期待されます一般的にはプロパー部品販売は利益率が高いので、今後も利益率向上に貢献すると想定されます。

  • 太陽光パネル検査・解体ライン・リサイクル/リユース(半期売上の5%弱)
    導入前・導入済パネルの検査は、今後も安定的に需要があるものの、大きな伸びがある事業ではないと思います。リサイクル/リユースは、今後国内需要が爆発的に伸びることと、海外需要に応える技術を持っているため、中長期で大きく伸びる可能性がありますが、元の規模が小さいため、ファイナンシャルへの影響は限定的です。ただし株価の観点では、海外への輸出開始や装置自体の売上の積み上がりといったニュースで市場が反応し、上昇する可能性があります

ファンダ分析②株価水準・割安度

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チャートは引用/転載自由の株ドラゴンさんにお借りしています。

エヌ・ピー・シーの株価が350円前後という水準は、PERで14倍前後です。一般的な装置メーカーとしてみれば、割安でも割高でもない水準かと思います。売上自体は2016年から年率20%弱で伸びておりますが、営業利益自体はほとんど伸びておらず、過去実績から見ても割安ではないです。

そのため、10月の決算で前年割れの予測が出てきた場合、予測のレベル感によっては、今の水準を維持できず、下振れする可能性は十分にあります。

株価上昇トリガー・投資戦略

株価上昇のトリガーは大きく、決算発表時の来季予測に伴うEPS増と成長期待によるPER増、その後の解体ライン事業の進捗に伴うPER増です。

  • 決算発表時(10/9)のEPS増/PER増:決算発表のタイミングで来期予測が発表され、EPSの見直しが起こります。太陽電池製造装置は今後さらに拡大していくものと考えられ、部品事業もインストールベースに合わせて伸びると想定されますので、今回はEPSが上方にいくのではと期待します。ただし、太陽電池製造装置の大型受注は下期ということで、まだ数字が見えていない分リスクがあります。
    加えて自動化/省力化装置も大型案件がまだ確定しておらず、リスクがあります。

  • 解体ライン事業の進捗:当社は今後解体ラインの欧州輸出を想定しており、例えば欧州大手とのパートナーシップ、第一弾輸出などのニュースがある可能性は十分にあります。決算説明会資料によれば、当社の持つホットナイフ技術は欧州にはなく、欧州における現状のリサイクル技術よりもより環境性能が高いということなので、期待できるのではと思います。

前述のとおり、エヌ・ピー・シーは完全に底値というわけでは無く、下に行くリスクもありますので、投資金額は抑え目、現物のみ投資する戦略で行きたいと思います。マイルストーンは10/9の決算発表で、ここでEPSが下に行くようであれば値段に関わらず損切です。EPSが上に行くようであれば、EPS上昇度合をみつつ、短期的にPER15~20倍までの範囲で利確するか、書いたインライン事業のイベント待ちで持ち続けるか判断します。

その他のリスク

エヌ・ピー・シーは決算発表時の来期予測によるEPSについて、期初に低めの数字を出し、期中に上方修正をかけていく癖がある銘柄に見えます。すなわち、来期予測を超保守的に出した結果、今期を下回る可能性があるということです。ただし、3年間も同じように動かしているので、市場もある程度銘柄の癖を見込んで動いている可能性はあります。

以上、エヌ・ピー・シーの銘柄分析でした。
エヌ・ピー・シーの株価の推移については10月20日頃に定点観測記事を出します。

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